文法の鬼・シャーロックの遺伝子~ベネディクト・カンバーバッチの使用済みティッシュ、今ならまだ入手可能か。 - BBCシャーロック/SHERLOCKとゲイティスにウットリしつつ、彼らの英語も愉しみたい -
ベラルーシの拘置所で接見した依頼人(Mr.Bewick)とのシーン。
英国人であるBewick氏の英文法の誤りを、
これでもかと訂正しまくるシャーロックが面白くて
自分も人のこと言えないけどーと思いつつも、最初は笑って観てました。
が、実際の英語セリフを見てると、どんどん笑えなくなってきたハトそん。
だって内容が…自分もかなりやりそう…。
主語とbe動詞が合致してないとか(I weren't → wasn't)
否定構文に否定形容を使わないとか(wasn't moving no more → anymore)
意味取り違えてるとか(He learned us → taught)
「される」のgetは過去形と仲良しとか
(目的語+過去分詞補語? Get hung → hunged)。
オノノキながらも新発見だったのは、
日本人のハトそんが思う以上に、「be動詞」が間違ってると、
英語を母国語にする人たちは気になるの?ってこと。
このシーンでも2回、シャーロックにツっこまれてる。
「I weren't a real man. → wasn't」
「She weren' t move...→ wasn't」(こちらは態度でツッコみ)
突然ですが、
ガーシュインの「ポーギーとベス」(「サマータイム」が有名)の、
主人公の二人が歌う曲(Bess, You is my woman now)の中で
ポーギーはベスに「 You is my woman」と呼びかけ、
ベスはポーギーに「I is your's forever」と歌います。
これは「国語教育もロクに受けられぬ底辺社会」の演出も兼ねた歌詞ですが
二人の純情と曲の美しさが素晴らしいので
ハトそんは逆に、
この「be動詞が主語と合ってない」のが素敵に思えて仕方なかった。
なので、
シャーロックに訂正されまくると少々複雑な気持ちになったりして。
シャーロックの鬼文法チェックはジョンに対しても発揮され、
(以下ジョン・ワトソン公式ブログより)
◆自分のミンスク行き飛行機のチケット取りを急にジョンに頼んでおいて
「John! I need you to book me some aeroplane tickets!
I'm going to Minsk!」
(ジョン!飛行機搭乗券を予約してもらいたい!ミンスクへ行く!)
機上のシャーロックの動向を記したジョンの記事
「he's just texted from the airplane to ~」
(彼は飛行機内からショートメールしてきた~) に対し、
「The word is aeroplane, John.Not airplane. Just saying.」
(aeroplaneだジョン、airplaneじゃない。一応言っておく)とか。
(これ!ここは大丈夫だよ私!
エアロスミスのおかげ様で「アエロスミス」と覚えたから!(乏しい自慢))
◆第二話The Blind Bankerを記したジョンの記事については;
「Also, please note that sentences can also end in full stops.
The exclamation mark can be overused.」
(それから、文章は完結系で終了できるということも覚えておいてくれ給え。
びっくりマーク 感嘆符を使いすぎだ。)
★それでもシャーロックの名誉のために強調すれば、
冒頭シーンで最初に訂正を入れる前に、
シャーロックは一度、ツッこむのをガマンしています。
( Bewick氏はバーでウェイトレスと話をしたと語る際、
「Karen weren't happy with that」と言ったのに
ツッコまなかった。大人じゃーん!me oldmanもOkなの?)
この「文法訂正癖」は、シャーロックのキャラクターをより魅力的に見せ、
作品の大事なギャグポイントにもなっています。
これが実際に、誰のアイデアかはわかりませんが、
脚本を書いたマーク・ゲイティス様自身が
この傾向にあらせれるのではないかと思われるフシがあるので
シャーロックのこの特性は、ゲイティスさんの遺伝子によるものかも??
ゲイティスさんの過去のツイッターを拝見していると、
幾つか他人のミススペリングを訂正している返信があって、
その感じが、そこはかとなくシャーロックを彷彿とさせます。
また、
ゲイティスさんは、伴侶のイアン・Hallard(*)との馴れ初めについて;
I met Ian online. He spelled everything so well
I said to myself: "This is the man for me."
We spent most of our first chat talking grammar.
I knew I wanted to see him again.
He said coolly: "I like to keep my cards close to my chest."
But he rang me the next day.
イアンとはネットで出会った。
彼はとにかく綴りに長けていて、僕は思った「彼こそが自分の相手だ」と。
最初のチャットのほとんどを、僕らは文法について語り合って過ごした。
またすぐ彼に会いたくなるのは分かっていた。
彼はクールに言ったよ、「手の内は明かさないでいたい」と。
でも次の日、彼は僕に電話をかけてよこしたんだ。
と語っています(ガーディアン)。
ハトそんの訳と解釈が間違ってないという仮定においてですが;
これを読むと、ゲイティスさんの付き合う相手の審査基準には、
1)「正しいスペリング(綴り)ができる」
2)「チャットで盛り上がれるほど文法に明るい」
が、相当に重要な部分を占めていると思われます。
いま私は泣きながらこれを書いています。
聡明な人だということは重々わかっていたけれど、まさかここまでとは…。
もしゲイティスさんが赤毛のアンと同じ学校行ってたら
ギルバートとアンの争奪戦ですよ(あ、逆?)。ああ危なかった。
じゃなかった、惚れ直した!!!
初対面で「文法についてチャットで語り合う」なんてどこまで知的なんだ。
きっとこの二人、シェイクスピアの言葉遊びとかも面白いんだろな~。
ティム・ロスとゲイリー・オールドマンの仲良しコンビ映画;
「ローゼンクランツとギルデンシュタインは死んだ」
(Rosencrantz & Guildenstern Are Dead)の世界?
(超余談ですが、
二人がコートで言葉遊びしながらテニスするシーン最高です。
ハムレット知らなくても面白いので、機会あればぜひ)
以上の理由で、
第三話the Great gameの冒頭シーン、
(もしかしたらブログのシャーロックのコメントも)
ゲイティスさん自身がかなり投影されているのではと勝手に考察。
オーディオ・コメンタリーでベネディクト・カンバーバッチも;
(注:(?)部分はよく聞き取れない箇所)
Add to say it's the stroke Mark's(中略)genious that…dear me,the scene...
this is grammmer lesson. It's pretty(?) the man is…
facing the death penalty, hand cuffed to take(?) of all time,
he's just palladium(?) briliant idea, it's briliant idea.
付け加えとくと、これはマークの真骨頂だよ、このシーンは…文法講座だよ。
この男は手錠されて死刑に直面してるってのに。
(マークは)神/頭脳(?)だ、素晴らしいアイデアだ、素晴らしい。
怪しい部分満載ではありますが、
概ね上記のように、終始ヒクヒクと忍び笑いをこらえながら絶賛していました。
そうそう、
このシーンの撮影が「激・極寒」の1月のウェールズで撮影された事は
前にちょこっと書きましたが
それに関してコメンタリーでベネティクト・カンバーバッチが言っていた事が
今更ですがだいたいわかりました。
辞書みたらあっさりice capが載っていたので、こういうこと?↓
People will discover the tissues
I used in icecaps
for the(?) years to come.
(余りにも寒かったので)
数年の間、
僕が使ったティッシュが
万年雪になって残るだろう
ティッシュも山のように使うハメになったし、
周りも極寒だからそのまま固まって残る、という二重の意味といったところ?
years to comeのあたりが自信ないので、
もし「year」1年限定だとしたらもう溶けているかもしれませんが、
「years」2~3年残るということだとしたら、
今のうちですよーっ
ベネディクト・カンバーバッチ使用済ティッシュ採掘の旅、
ウェールズまで、行きたいかーーーっ!?
【(*)について】;
ゲイティスさんの伴侶名の発音については、
間違えると恥ずかしいので
確認できるまで原語表記でゴマかすことにしたのですが
こないだ、イアン Hallardご本人がtwitterで、
おそらくBBCの人が
ゲイティスさんの名前の発音を間違えた事に対し、
「Oh dear, @EvanHD, it's pronounced Gay-tiss not Gattis.」
(おやおや、その発音ガティスじゃないよ、ゲイ・ティスだよ」
とつぶやいておられたので、ますます絶対に間違うわけにいかないなと
決意を新たにしました。
それにしても似たもの伴侶ですね。("Gay-tiss"ってあたりのユーモアも)
もしかしてシャーロックには、
この人の遺伝子も入っているかもしれないね!!
☆拍手お礼☆
H様
喜んでるのは自分だけと思っていたので、コメントとても嬉しかったです。
感動しちゃいました。こんなのでも幾ばくかのお手伝いができたら幸いです。
実はハトそん座右の銘は「引き出しはたくさん持ってる方が、人生あちこちたのしい」だったりします。ありがとうございました。
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